腎臓は体の背中側にあり、そら豆型をした臓器で、左右に1つずつあります。
腎臓には様々な機能がありますが、代表的なものとしては血液から尿を作り、不要な老廃物を捨てて健康な体を維持することがあります。
慢性腎臓病は尿路結石や慢性腎炎、細菌やウイルスの感染症によって起こることもありますが、
主な原因は加齢に伴う腎機能の低下です。
腎機能の低下が進行すると、血液中の不要物をろ過したり、身体に必要な水分を再吸収するはたらきができなくなってしまいます。
- 主な症状
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- 飲水量、尿量の増加
- 食欲低下
- 体重減少
- 脱水
- 貧血
- 消化器症状(嘔吐、便秘、下痢)
- 口内炎など
- 原因
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主として加齢に伴う腎機能の低下
診断
- 飲尿検査
- 血液検査
- 画像検査(超音波検査、レントゲン検査)など
これらを組み合わせて診断します
当院の健康診断では、腎機能の低下の早期で上昇する
SDMAという項目も検査しています。
SDMAは2016年から検査が可能になった比較的新しい検査項目です。
治療
慢性腎臓病の主な治療には
保存療法(進行を遅らせるための治療)と
対症療法(症状を軽減する治療)があります。
【保存療法】
食事療法を主体に、血液中に溜まってしまった老廃物(尿素窒素)を吸着する活性炭やリン吸着剤の投与を行います。また腎臓病の悪化の原因となる高血圧、蛋白尿、甲状腺機能亢進症などがあれば投薬により治療します。
【対症療法】
点滴治療(時間をかけながら静脈点滴を行う方法と、皮下に輸液を入れる方法があります)を主体に行います。脱水は腎臓病を悪化させる要因になるので定期的な点滴が必要になります。また症状に合わせて吐き気止めや、食欲増進剤の投与、貧血に対するホルモン剤注射などを行う場合もあります。
気をつける事・お家でのケア
若い頃から腎臓に負担をかけないケアを心がける事が大切です。ご飯は塩分やミネラル、高蛋白を控えたバランスの良いものを与え、水をたくさん飲めるような工夫をしましょう。
一度悪くなった腎臓の組織は治療しても元には戻らないのでなるべく早期に腎臓病を発見し、進行しないように治療を始めてあげましょう。飲水量、尿量やにおいは常にチェックし、少しでも異変を感じたら早めに受診してください。