船橋市 動物病院 | ふなばし動物医療センター かつまペットクリニック | 整形外科 犬の白内障

ふなばし動物医療センター かつまペットクリニック

病気の話
泌尿器・生殖器の病気
排尿に関わる臓器(腎臓・膀胱・尿管)や繁殖に関わる臓器(♀:卵巣・子宮・乳腺、♂:精巣・前立腺)の病気は、犬も猫も高齢期に多く見られます。
避妊・去勢手術で性ホルモンの影響を軽減させることにより予防が可能になる病気もあります。
vol.2
子宮蓄膿症
メスの生殖器の一部である子宮の中に大腸菌やブドウ球菌などの細菌が侵入し、炎症を起こし、膿(うみ)が溜まってしまう病気です。治療が遅れれば子宮が破裂したり、敗血症になり生命を脅かす危険のある病気です。
体の外から子宮の中までの道の途中に、子宮頚管と呼ばれる場所があります。発情の期間中、この子宮頚管がホルモンの影響で広がってしまい、外から細菌が侵入しやすくなります。この期間中に侵入した細菌が、発情が終わったあとに、子宮内で増殖してしまう場合があります。
細菌の増殖による炎症のために生じた膿が、子宮内に溜まることで子宮蓄膿症となります。
主な症状
  • 元気•食欲の低下
  • 飲水量の増加
  • 尿量の増加
  • 嘔吐
  • お腹が張ってくる
  • 子宮内に溜まった膿が、膣から垂れてくる場合がある
原因
  • 発情期の子宮頸管からの細菌感染
  • 黄体ホルモンの分泌
診断
レントゲン検査やエコー検査などで、子宮内に膿が溜まっているかどうかを判断します。その他に、血液検査により、細菌の感染や、炎症が起きていないかなどを判断します。
手術により取り出した子宮
治療
効果的な治療は、手術により膿の溜まった子宮を取り除く方法です。しかし、全身状態が悪く手術が行えない場合は、抗菌薬や輸液により状態を回復してから手術を行うことになります。
どうしても手術を行うことが難しい場合、子宮平滑筋を収縮させることで排膿を促す作用のあるホルモン注射と抗菌薬の投与により、治療を行うこともあります。
予後
子宮蓄膿症は、手術により子宮を取り除くことができれば、良い経過をたどることの多い病気です。しかし、病気の期間が長いと治療が難しい場合があり、重篤な症状を示す場合は動物の命を脅かすことがあります。また、手術を行わず、薬により治療を行った場合、再び子宮蓄膿症になる場合が多く、繁殖を希望する場合以外では、手術による治療が効果的です。
予防
子宮蓄膿症は避妊手術を行うことで予防できます。妊娠を希望しない場合は、手術の危険性の少ない健康なときに、避妊手術を行うことが子宮蓄膿症の予防につながります。
実際の症例紹介も併せてご覧ください
「日々の診療ブログ」